床材の選び方とは?フローリングのメリット・デメリットをご紹介


日本の家の床材は戦後から現在に至るまで大きく変化、そして進化してきました。畳に布団、畳に卓袱台の生活から、ベッドやダイニングセットの浸透で板張りの床が増え、フローリングという和製英語も生まれました。

今回はさまざまな床材の中でも、最も多く使われるフローリングに焦点を当て、そのメリットとデメリットについて探っていきます。

1. フローリングが人気の理由

現在多くの住まいでは床材にフローリングが用いられていますが、なぜフローリングが好まれるようになったのでしょう。それは洋式の生活に移行したことにもありますが、掃除が楽という利便性が大きな理由でした。

これまでの畳やカーペットと異なり、編み目や繊維に埃が絡みつくこともないため、普段は掃除機をかけたりモップで軽く拭いたりするだけでダニの発生も防ぎ、清潔が保てます。さらに落ち着いた木目が部屋全体をオシャレに見せてくれるインテリア性も人気の要因です。そんなフローリングには2つのタイプがあり、それぞれ構造や特徴が異なります。

2. 無垢材フローリングと複合フローリングの違い

フローリングには無垢材フローリングと複合フローリングがあります。どちらも原料は木材ですが、無垢材フローリングは100%天然の木をそのまま1枚の板として加工したもので、ナチュラルな風合いと味わいが特徴です。

一方複合フローリングは何層かの合板に、表面だけスライスした天然木や木目プリントのシートを張り合わせたもので、防滑加工や防音加工といった特殊加工したものも多く、メンテナンスは無垢材フローリングにくらべ数段楽なのが大きな特徴です。

無垢材フローリング、複合フローリングそれぞれのメリット、デメリットを事前に確認し、目的にあった床材を選びましょう。

3. 無垢材フローリングのメリット・デメリット

社会全体のナチュラル志向も手伝って、無垢材フローリングの需要が高まっています。木の香りに癒されたり、経年変化していく風合いを楽しんだり、無垢材フローリングには多くの魅力がありますが、その反面手入れが大変そうという不安の声もあります。

ここでは無垢材フローリングのメリットとデメリットを解説しましょう。

3-1. メリットはカラダへのやさしさと木を育てる楽しみ

・自然の木に空気が含まれているため保温性や断熱性が高い
・木特有の調湿効果で夏は余分な湿気を吸収し、乾燥する冬は湿気を排出してくれる
・静電気が出ない
・足当たりが柔らかい
・木の香りを楽しめる
・経年変化による自然な味わいに風格が生まれ愛着がわく
・ワックスがけは基本的に不要
・小さな傷や汚れならサンドペーパーで擦って消せる
・好みの樹種を選べる

3-2. デメリットは傷つきやすさと木を育てる面倒臭さ

・湿度の変化で反りや割れなどのアバレが起きる
・目地に隙間が出やすい
・柔らかい樹種は傷がつきやすい
・水に弱くシミになりやすい
・コストが高い
・手入れが面倒そう
・手入れの方法がわからない
・寿命が長い

3-3. 無理せず維持できる方法を選ぶ

こうしてみると無垢材フローリングは自然任せの部分も多く、さほど扱いが難しいものではありません。とはいえ無垢材フローリングにして維持できるでしょうか。

「たとえばペットの足にはやさしそうだけど爪で床がボロボロになってしまいそう」だとか、「自然の風合いを楽しむといってもシミだらけは恥ずかしい、でもナチュラルテイストのインテリアにしたい」など、葛藤も生まれることでしょう。

実際、無垢材フローリングの手入れは専用油を塗り込むくらいなので、それだけでは汚れや水分から完全に守ることはできません。

そこでひとつの提案です。もし見た目や雰囲気重視であれば、無垢材フローリングにウレタン塗装を施すという方法があります。この方法だと傷やシミがつく心配は減りますが、硬い皮膜で守るため無垢の見た目と比べるとやや不自然なものになり、調湿効果なども失われます。

シミや傷を我が家の歴史として残し共に暮らすか、美しさを優先するか、迷ったら大事にしたいことや守りたいことを思い出して選択しましょう。

4. 複合フローリングメリット・デメリット

複合フローリングは、手頃な価格でさまざまなニーズに応えてくれる万能な床材です。人工物であるからこそできる特殊な加工も魅力で、幅広い年齢層や生活様式に対応しています。近年は、より無垢材の質感に近い厚さ2mmの表面材を張った挽き板フローリングも人気が高まっています。

4-1. メリットは手入れの簡単さと多様な特殊加工

・工場での一括清算のため品質や仕上がりが均一で施工しやすい
・合板なので反りや割れが起きにくい
・無垢材フローリングにくらべ傷や水に強い
・掃除や手入れが楽
・防滑加工、防音加工、防水加工など特殊加工されたものが多く、さまざまな目的に対応
・種類やデザインが豊富でインテリア性が高い
・無垢材フローリングにくらべコストが低い

4-2. デメリットは美しくない経年変化

・無垢材のような柔らかさや温もりが感じにくい
・直接足に触れると硬く冷たい
・経年劣化で表面が剥げ落ちると、中の合板が見えて安っぽく感じる
・一度傷がつくと元に戻らない
・寿命が短い

4-3. 人工物だからこそ丁寧に扱い長持ちさせましょう

自然の木にはそれ自体に備わった自然治癒力のようなものがあります。たとえば無垢材フローリングに傷がついたときサンドペーパーで磨いて油を刷り込むと、あまり違和感なく元の木目と馴染みます。しかし人工物である複合フローリングはそれができません。だからこそ丁寧に扱いきちんと手入れをし、長持ちさせたいものです。

5. 目的をはっきりさせることが床材選び成功の秘訣

床材を選ぶときはどんな素材や色にするかという前に、何のためにどのような床が必要なのかをはっきりさせることが大事です。たとえば部屋や廊下を滑らず安全に歩けるようにしたいなら、滑りにくい防滑加工の床材を候補に挙げてみましょう。

その他ワックスがけが面倒なので省きたい、ナチュラル志向で自然素材と暮らしたいなど、自分や家族にとって、最も大事にしたいことを第一に選ぶことが床選びの成功の秘訣です。

6. まとめ

床材にはそれぞれにメリットとデメリットがあります。小さなサンプルだけではわかりにくいことも多いものです。実際に貼られた床を見て参考にしたり、プロにアドバイスを受けたりすることをおすすめします。

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